2011年01月28日

日本国債格下げ。しかし、、

ご案内のとおり、1月27日に格付会社S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)は、日本の長期国債格付けを「AA」から「AA-」に格下げしました。キタワァ*・゜(n'∀')η *・゜
スタンダード&プアーズ - 日本のソブリン格付けを※「AA-」に格下げ、アウトルックは「安定的」
http://t.co/WariNun

格下げの理由として、政府債務残高対GDP比率の高さ、今後予想される大幅な財政赤字、長引くデフレによる債務問題の深刻化、民主党政権の債務問題への戦略欠如、などが挙げられています。

まあ、財政健全化待ったなしの風潮が形成されるのは良いことですが、マジレスすると、でっていう感が強かったり^^

理由1:以前はもっと格下げられてた

rating.png

Fitchなんか2002年中頃から今日まで、ずっとAA-格を維持しておりますし、Moody'sは今でさえAa2(AA相当)格を与えていますが、2002年〜2007年まではA格なんていう、今でいうアイルランド並の格付けを与えていた訳で、それに比べりゃ、平和ダナー(T∀T)と。
ステートメントでも、わが国の高水準の対外純資産残高、比較的強固な金融システム、多様化な産業構造、円の流動性など、「AA-」格で留まってるポジティブな理由が、いくらか挙げられております。

理由2:1年前に格下げは予告されていた
Outlook On Japan To Negative On Diminishing Economic Policy Flexibility
http://www.standardandpoors.com/ratings/articles/en/us/?assetID=1245205385913

まあ、そういう訳で、丁度1年前に格付けの見通し(outlook)は「Stable」から「Negative」に下方修正されており、
The outlook change reflects our view that the Japanese government's diminishing economic policy flexibility may lead to a downgrade unless measures can be taken to stem fiscal and deflationary pressures.
と、財政赤字と政府債務残高の増大、デフレ圧力等で経済政策の自由度が失われていることが述べられています。また、
The ratings on Japan could fall by one notch if economic data remain weak and measures to boost medium-term growth are not forthcoming, given the country's high government debt burden and its weak demographic profile.
「もし経済指標が弱含みしたままで、成長戦略が講じられなければ、格下げするよ」と予め予告しているのですが、面白いことに、政府が新成長戦略の実現に向けた基本方針である「成長戦略実現2011」なるものを閣議決定(1月25日)した矢先の格下げであったわけです^^

やはり、ねじれ国会(=政策遅滞の懸念が強まったこと)が理由に挙げられている以上、おそらく昨年の参院選の結果が出た時点で、格下げは既定路線だったのでしょう(´・ω・`)

理由3:長期金利と格付けの相関は殆ど無い

今回もあんまり長期金利は反応しなかったみたいだし、為替は当日こそ円安に動きましたが、今は落ち着いています。
やはり国債は、サブプライム商品なんかとは違って、買ってる人間が一番良く分かってる性質の金融商品であるため、格付けなんて気休め程度ってことですね(・w・)

野村證券のレポートより、過去の「格下げ」に対する「長期金利」のインパルス応答の図をご参考までに。

impulse.png

格下げで金利が上がることもあれば、むしろ低下したり、完全に無相関と見るべき予感(>▽<)b

おまけ

理由2で紹介したS&Pのステートメント、何気に面白いです。
アウトルック下方修正のRationaleでは、
the policies of the new Democratic Party of Japan (DPJ) government point to a
slower pace of fiscal consolidation than we had previously expected.
と、軽く民主党にジャブを食らわしつつ、
日本の信用を低下させる要因として、
the following factors suggest mounting pressure on Japan's credit quality:
(中略)
Policy shifts by the new government, elected in August 2009, appear to place greater emphasis on redistribution of wealth, in part reflecting coalition dynamics. As a result, although there is still a commitment by the government to public sector reform, we do not see a comprehensive plan to boost growth potential and hence government revenues in the medium term. That said, we do not believe that the broad thrust of macroeconomic management that has characterized Japan for half a century will change.


鳩山ェ・・・
posted by あうあう at 22:25| Comment(0) | 金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月27日

わが国の設備投資動向と展望

先週、「みずほ産業調査」がリリースされたので、設備投資の動向と展望を簡単にレビュー。

mizuhosangyo.png
http://www.mizuhocbk.co.jp/fin_info/industry/sangyou/m1035.html

まずは、淡々とファクトベースを述べるお(´ω`)

1.設備投資の動向
setutou1.png
2009年度の設備投資は、製造業、非製造業ともに激減して、全体で34兆円と1988年の水準にまで低下。
2010年度は(日銀短観によると)、製造業・非製造業ともに伸び、前年度比+4.3%と、小幅ながら3年ぶりにプラスに転じる見込み。

kikaijuchu.png
2011年度について、設備投資の先行指標である機械受注は、底打ちが確認されるものの、依然としてリーマン・ショック前の8割程度にとどまっており、回復のペースは緩慢。

2.海外向け設備投資
setubidi.png
日系企業の海外現地法人における設備投資需要は、既にリーマン・ショック前と同水準にまで回復
設備投資の海外シフトは引き続き加速していくと見込まれる。

setubimokuteki.png
(↑同じく、海外現地法人へのアンケート)
製造業の国内設備投資は主に更新維持や環境・安全関連を目的とし、生産能力増強を目的とした投資は新興国というシナリオに変わりはない。

3.問題意識など
上で述べたように、
国内投資:設備の質向上の更新投資
海外投資:能力向上のための新規投資
となっている訳ですが、
個人的な話で恐縮ですが、いま「国内産業空洞化に関する勉強会」という経産省の方々が主催しているイベントに2回ほど参加させてもらっています。

ある時、参加者の一人が、

「わが国企業は、製造拠点のみならず、本社機能まで移転するなど、もはや日本企業としてのアイデンティティを失っている」

といった趣旨のご発言をされたのが、僕は大変印象に残っています。
というのも、つい最近の春闘で、連合も「日本企業は多国籍企業になってしまっている。」と国内設備投資よりも海外設備投資が活発化していることに懸念を表明しており、それとオーバーラップするものを感じたからです。

ただ、これも「企業は少しでも多くの利益を出したいから、日本人を見捨てて海外に出ていっている」というよくある誤解の裏返しなのかなという気がします。

確かに、海外現地法人の現地調達比率は90%を超えており、雇用は海外現地で生まれるため、国内で雇用機会が生じにくくなっているのは事実だと思います。
しかしながら、海外に出て行かないと経営自体が立ち行かなくなるから、存立のためやむを得ず海外シフトを進めている、というのが企業の本音であり、これは止むを得ない面があります。

海外設備投資による外需獲得→経済成長、というプロセスは、国内雇用創出とは直接シンクロしないので、やはり雇用の問題は別枠として考えるべきでしょう。
例えば、外資を日本に呼び込んで来るとか、日本に比較優位のあるもの(EVとか)は日本で作るとか。そして、そういった事業環境を整備することこそが急務ではないでしょうか。

月並みですが(`・ω・´)
posted by あうあう at 21:35| Comment(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月21日

3本立て(メモランダム)

今週Evernoteに書き付けたメモからいくつか抜粋。まとまりはない^^

○都営地下鉄(そして東京メトロ)に携帯の電波が入る
【朝日】携帯電波、地下鉄車内へ届けます 通話はご遠慮を 東京
http://t.asahi.com/156o

キタワァ*・゜(n'∀')η *・゜
地下鉄の駅に停車した限られた時間に通信するのは極めて非効率だと思っており、孫正義は良くやったナー(T∀T)という感じです。

とはいえ、ロビー活動はかくあるべしというのを強く思い知らされた一件でした。
というのも、以前からメトロのホームページの要望フォームで、
「地下鉄に電波入れないと、東京の国際競争力は世界の主要都市に劣後し、雇用が300万人失われる。」
と個人的な警鐘を送ってはいたんですけど、完全に黙殺されたんですよね(´・ω・`)

企業・政府に対して物を言う時は、働きかける人物・組織に、一定の社会的影響力がないと駄目。そういう意味で、メトロに直訴せずに、twitter経由で大企業トップである孫氏に働きかけた方は、非常に賢明であったなあと深く敬服いたします(・(ェ)・)ノ

○産経の電波な社説
ドラめもんさんのところで紹介されていたので紹介。
【日曜経済講座】編集委員・田村秀男 脱デフレの秘策 銀行資産税を導入せよ
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110116/fnc11011607370001-n1.htm

簡単にいえば、「銀行はリスクを恐れて融資をせずに国債ばっかり買ってて、デフレを加速させてる」的な。

統計(特に確率・期待値の概念)を知らない方が、よく誤解する点であると存じます。
銀行が国債買うのは、無闇な融資をするよりも、国債買った方が期待収益が高いと考えるからです。
アニマルスピリットがどうとか、全く関係ない話です。
簡単な例を出せば、
「貸倒確率30%、金利3%の融資」と「利回り1%の国債投資」どっちが得かっていうアレです。

そして、さらに悪いことに、政府も似たようなことを言ってきます。
「法人税を下げたのだから、企業は確実に、減税分で浮いたキャッシュ・フローを国内での設備投資・雇用創出に回しなさい。」と。

同じ理屈で考えてみれば、いわば「株主から頂いたお金を、強制的な設備投資によってドブに捨てて、経営陣が株主から吊るし上げられる」っていう、文革期の批判闘争大会も真っ青な株主総会が起こるわけです^^;

(先日、センター試験がございましたが、統計を必修問題にした方がいいんでねーの?と、個人的に思ってみたり^^)

○内閣府「経済財政の中長期試算」
20年度に消費税9%分赤字 中長期財政試算  :日本経済新聞
http://t.co/TTtP2A5

今年の試算が出ましたので、簡単に紹介(計数表は、まだ公式にうpされてないので自粛^^;)
・慎重シナリオ:成長率1%台半ばで推移
・成長戦略シナリオ:成長率が3%台まで伸びる
という2つのシナリオに沿って計算しているんですが、昨年の試算よりは若干下方修正の予測となっております。
2020年度(財政運営戦略に従えば、PB均衡していないといけない時期)に、国・地方のPBは慎重シナリオで▲23.2兆円、成長戦略シナリオで▲16.2兆円。
インプリケーションとしては、新成長戦略を着実に実行し、わが国経済が自律的な成長経路に入ったとしても、消費税引き上げを含めた税制抜本改革は、待ったなしの状況になっているっていうアレです。
さらに言えば、「成長すれば消費税を上げなくても良い」とか言う、みんなの党みたいな「上げ潮派・リフレ派」は、とっとと反省汁(`・ω・´)!っていうインプリケーションでもあります^^

○まとめめいたもの

BNPの河野龍太郎さんなんかは、「菅政権は意外と長命?」というエントリーをレポートしておりましたが(国政選挙・代表選が暫くないので)、案外自分もそうなんじゃねーかなと思ってみたり。
いずれにせよ、「この人に首相をやらせたい!」という然るべき人物も浮かばないのだから、政治空白というのは勘弁して欲しいもんです(´・ω・`)

(「お縄先生にやらせてみよう!」とか言うのは、まさに末法思想の香り^^)
posted by あうあう at 20:38| Comment(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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