2011年06月10日

フォールトラインズ、新潮社版を読む

実は1ヶ月前から邦訳版を読んでるのだけども、一向に読み進まない。
何でだろうと思って、ふと原書と比較してみると、
やっぱり訳が変だから、内容を咀嚼できずに、先に進めないのだということが判明。

例)129ページのフィリップス曲線(インフレと失業のトレードオフ)の説明。
...インフレ率が上昇すれば、ものを買うためにより多くの金を払わなければならず、より一生懸命働かなければならない、と全ての人が考える。よって、経済産出は増える。しかし、すべてのモノの値段が高くなっているのに気付かない。

>「ものを買うためにより多くの金を払わなければならず」
>「しかし、すべてのモノの値段が高くなっているのに気付かない。」

圧倒的違和感☆

原書の該当箇所
Injecting more inflation would lead people to believe they were getting paid more for the goods they produced and to work harder−thus expanding output−not realizing that everything else was becoming costlier at the same time.

これって、普通に訳せば、
インフレを加速させることで、人々は自分たちの生産した商品により多くの代金が支払われるようになったと信じ、熱心に働くようになる。
結果として生産は拡大するが、彼らは、他の商品の価格も同時に上昇していることに気づいていない。


というわけで、経済学者ではない翻訳を生業とする人が経済本を訳すときにありがちなアレです。
他にも、Krugman&Obstfeldの"International Economics"の邦訳版において、Havenが「天国」と訳されていたり、折角の名著が日本に来たら駄目になるというのは非常に残念です(´・ω・`)

まあ、フォールトラインズの帯には「米国No.1ビジネス書が、ついに日本上陸!」とか書いてあるのに、実際のところ、マクロ経済学や金融論の基礎を勉強してないと分からない内容(ISバランスと国際収支の関係とか)を含むので、巷のビジネス書と同じ感覚で翻訳に取り組んだのがそもそもの間違いかもしれません(´・ω・`)

立花隆が昔、「翻訳書でよく分からない部分に出会ったら、自分の頭を疑うより、誤訳ではないかとまず疑ってみよ」と言っていたけども、まさにその通りではないかと思います・゚・(つ(ェ)`)・゚・。
posted by あうあう at 21:23| Comment(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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