2011年03月18日

税制に関するメモ

英国のオズボーン大蔵大臣(the chancellor of the exchequer)が2期目の財政演説を来週行う予定。
ご案内のとおり、彼の地では、付加価値税(VAT)を20%に上げてインフレ率が4%に達しておりますが、免税対象の食料品がいろいろあったり、税体系が非常に複雑怪奇でございます。

96年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・マーリーズは、good tax systemの条件を3つ挙げております。
・it should be progressive
・it should not bias choices over how much to work or what to consume
・it should be simple

そして英国のVATは、上述のとおり、大半の食料や書籍、子供服に課税されないのですが、これが2番目(加えて3番目)の条件にマッチしていない。
つまり、例えば食料でも、課税されるものとそうでないものとの間で、相対価格の歪み生じるため、家計の消費行動を歪めてしまう(価格のシグナル効果が崩れるため、経済活動における正しい意思決定が阻害される)。

では、どうしたら良いかと言えば、変な免税品はやめて一律課税。
そうすれば税収が増えるので、低所得者への直接補助をやる。すると、低所得者の予算制約が緩むので、変な免税品があったころよりも消費できる選択肢が増えて効用upと。
うーむ。

日本の消費税上げ論議でも、必需品は低率にすれば良いんじゃないかという議論がありましたが、
その必需品が一体何であるかは、消費者が決めることで、国が決めること自体、経済学的に違和感がとても強い(また、時代によっても少しずつ変わるだろう)。
やはり、納税者番号制度をインフラとして早期に整備して、正確な所得捕捉を行い、その上で直接補助を行うのが正統的な再分配政策だと思います。
そういう意味では、給付付き税額控除、ベーシックインカム、あるいは負の所得税と呼ばれる一連のアイディアの導入も、大いに検討に値するでしょう(`・ω・´)

(参考文献)
The Economist(Mar 17th 2011)"Osborne's chance"
鈴木亘 "社会保障の「不都合な真実」"
posted by あうあう at 23:57| Comment(0) | 財政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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