2011年10月19日

景気動向指数の改定

本日、内閣府の景気動向指数研究会が開かれ、景気動向指数の改定が行われた。
また、景気循環(第14循環)の山と谷もそれぞれ、2008(平成20年)2月、2009(平成21)年3月に確定した。

景気動向指数(CI)に関しては、これまでに何度も、景況感を全く正しく捉えていないという指摘がなされてきた。
これまでの一致指数の結果を真に受けると、今は、リーマンショック前の2007年以上に景気が良いことになる。
それが、今回の改定で是正された形だ。

ci.png

一致指数を見ても、これだけの差。
今までのCIが間違い(あるいは、異常値の刈込みが不適切)だったことを認めざるを得ないのではないか。
そして、対応が非常に遅かったように思われる。
内閣府は今年の4月頃に、「異常値刈りこみなし」の系列を参考系列として公表し始めたが、
これはもっと早く出すべきだったし、むしろ「刈りこみなし」を本系列にして、「刈り込みあり」を参考系列にしても良いぐらいだった。
統計作成者にしてみれば、理論的な反論は多々あるだろうけど、もう少しユーザーの視点も考えてやるべきだったのではないか。(CIは利用者から全く重視されていないというアンケートの結果もある。)

遅きに失した感はあるが、いずれにせよ、重い腰が動いたのは良いことだったと思う。

(参考)
景気動向指数研究会(平成23年10月19日)
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di_ken.html
posted by あうあう at 20:03| Comment(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月10日

ノーベル経済学賞(スウェーデン銀行賞)雑感

2011年のノーベル経済学賞の受賞者が、Thomas J. SargentChristopher A. Simsに決まりました。
受賞理由は、マクロ経済学分野における、因果の実証分析とのこと。

学部卒の私でも、お2人の名前はよく存じ上げており、やっぱりこういう大物が米国にはまだまだ大量に控えているので、日本人の受賞は難しいなあと思う次第であります。
よく、「経済学賞は欧米重視で日本は不利」とか言われますが、Sargent&Simsに比肩するような経済学者が、果たして日本にどれだけいるのか、というそもそもの問題ですね。

お2人の業績はこれからじっくり勉強していこうと思いますが、Simsに関してはVAR(ベクトル自己回帰)分析の本なんかで、よくお目にかかった記憶。インパルス反応のところですね。
Sargentは、フォワードルッキングな経済主体の期待形成を理論化した人ですかね(未確認)。

金融危機があってから、DSGEモデルに色々批判が集まっており、こうした現代マクロの人たちが受賞するのは、ちょっぴり意外感がありました。
日銀の白川総裁なんかも以前、「最近のうちの行員はDSGEばっかり研究しているが、流動性危機について分析した方が、よっぽど時代の要請に応えているのではないか」、みたいなことを言っていた記憶がありますし。

まあ、あまり突っ込んだことは書けないので、明日から勉強します。
posted by あうあう at 23:01| Comment(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月01日

「経済セミナー」の10・11月号が(・∀・)イイ!!

経済セミナー 2011年 11月号 [雑誌] [雑誌] / 日本評論社 (刊)


今週、ツイッター上で、今月の「経済セミナー」の特集が「徹底マスター!最適化」だと聞いたので、早速買いました。
結論から言えば、すごく良かったです!

学部生時代も一応、授業とかで最適化をやったのですが、方程式の形を覚えるだけで、あんまり式の本質的な意味が良く分かってなかったんですね。
なので、社会人になっても、動的最適化を多用するマクロやサーチ理論の本(例えば、脇田「マクロ経済学のパースペクティブ」、今井・他「サーチ理論」など)を読んでも、計算部分がさっぱり分からなくて、ずっと悩んでたのです。
今年になって、これはマズいなあと思って、DixitのOptimization Theoryとか買って、クーンタッカー条件の経済学的な意味とかは分かった気になったのですが、後半の動的最適化に至る前に挫折してしまいましたOrz。

そんなときに、天から降ってきたかのように、この本が刊行されることとなりました。
今週、まさに藁にもすがる思いで書店に駆け込みましたが、結論から言えば良い買い物でした!
大学1年生〜大学院初級まで、無理なくステップアップできる編集だったのが良かったです。

図斎助教授(テンプル大)の「制約付き最大化問題を解く」では、学園の文化祭の話をトピックに、ラグランジュ乗数の経済的な意味を直感的に分かりやすく説明してもらえました(つまり、どうしてラグランジュ乗数を置くと、制約付き最大化問題が解けるのか、という本質的な問いに応えてくれる)。

あと、特に、尾山講師(東大)・安田助教授(GRIPS)の「経済学で出る包絡線定理」は最高でした。高校生でも分かる説明で、包絡線定理を証明してくれたり、オークション理論における収入同値定理をご教授してくださいました!
まさに目からウロコです!

これのお陰で、上東教授(神戸大)の「マクロ経済学における動的最適化」もスッキリと理解することができました。
僕が大学生の頃、ベルマン方程式がよく分からなかったそもそもの理由って、包絡線定理を知らなかったからなんだなあと、今になって強く確信しております。どうして教養課程の数学の授業とかで包絡線定理をちゃんと教えなかったの!?と思うぐらいです。ただ、横断性条件の説明が非常に簡素化されてるので、同氏の"Transversality Conditions and Dynamic Economic Behavior"を読まなければならんでしょうな。

原教授(京大)の「分離超平面定理とその応用」は、マクロ屋としてどこで活用できるのかよく分からなかったのでペンディング中ですが、時間のあるときにでも読んでみたいと思います(*´ω`*)

あと、浦井教授(阪大)の「経済学と不動点定理」はちょっと残念でしたね。哲学的な文章すぎて僕にはちょっと難解でした。でも、ケインズの「一般理論」の紹介で、

生産量(Y)⇒雇用水準⇒所得⇒C(Y)+I⇒有効需要 Y

という説明があったのは、非常に良かったですね。例えばロー出身者とか純粋な理系の人とか、経済学から遠かった人と、経済政策について話していたときに思ったことなのですが、一般的には「消費さえ活発になれば、経済はうまくいく」と思われてるのではないかと存じます。
つまり、エコポント制度など、とにかく現下の需要さえ刺激すれば、持続的な成長が達成できると思ってるフシです。「需要創造による成長」みたいなことを打ち上げていた菅政権なんかは、まさにそうだったのではないでしょうか。

しかし、(需要のそもそもの出発点である)生産が上手くいかなければ、持続的成長はおぼつかない。
だから、供給サイドに効く構造改革をやらないといけない。

この点を強調していきたいですね(*´ω`*)

脱線しましたが、経済セミナーはとてもよかったです。また、先月号には、大学時代の友達が寄稿してたり、なかなか感慨深いものがありました。

特集以外だと、翁邦雄の「金融政策の新潮流」は、まあ評判は良いみたいですけど、「実質実効為替レート」を「客観的な情勢認識」と位置づけておりますが、非貿易財も含んでるのに、「日本企業の競争力を正確に測る」とか言っちゃうのは、ちょっと経済の現場から遠すぎると思いますね。
僕は岩田規久男先生みたいな過激な日銀バッシャーじゃないですけど、翁邦雄もやっぱり日銀理論に過ぎるのではないかなあと思います。ロジックは概ね正しいと思うのですけど。

あとは、森口先生の「余暇消費と余暇産業を考える」とかも、面白そうですね( ´∀`)b
posted by あうあう at 19:38| Comment(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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